XSERVER環境でContact Form 7のメールをSMTP送信に切り替える手順
この記事では、Contact Form 7(お問い合わせフォーム)から送られるメールを、XSERVERのSMTP経由で安定して送れる状態に整える方法を解説します。
Contact Form 7はすでにインストール済みで、フォームも設置できている前提で進めます。
ゴールは、フォーム送信後に「管理者宛ての通知メール」と「必要に応じて自動返信メール」が届く状態を作り、テスト送信で確認まで完了していることです。
この記事で行うのは、次の3つです。
- XSERVER側でSMTP送信に使うメールアカウントを用意する
- WordPress側にSMTP送信用プラグインを入れて、XSERVERのSMTP情報を設定する
- Contact Form 7側の「送信元(From)」「返信先(Reply-To)」を整え、テスト送信で確認する

Contact Form 7の設定だけ直せば、メールは安定して届くようになりますか?

CF7は「メールの内容」を作る側だね。どこ経由で送るかはWordPress側の送信設定(SMTP)が効いてくるよ。送信経路を整えると、届きやすさが安定しやすいんだ。
1. SMTP設定の全体像
この章では、作業の流れと、先に集めておくべき情報を整理します。最初に全体像を掴んでおくと、設定途中での手戻りが減ります。
1-1. SMTPとは何か
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、WordPressからのメールを「メールサーバー経由で送信する」ための仕組みです。
お問い合わせフォームのメールが届かない原因にはいくつかありますが、送信経路をSMTPに切り替えることで、送信の信頼性が上がるケースがあります。
1-2. 作業に必要な情報と入手先
クライアントサイトで作業する場合は、ログイン情報が揃っていないと途中で止まりやすいです。先に次の情報を整理しておくとスムーズです。
| 必要なもの | 入手先 | この後どこで使うか |
|---|---|---|
| WordPress管理者権限 | クライアント | SMTPプラグインの導入・設定、CF7の調整 |
| XSERVERサーバーパネルのログイン情報 | クライアント | メールアカウント作成、メール関連設定の確認 |
| 送信元にするメールアドレス | 作成済みのもの or 新規作成 | SMTPの認証情報、CF7のFromに使用 |
| 上記メールアドレスのパスワード | クライアント or 作成時に設定 | SMTP認証に使用 |
送信元メールのパスワードは機密情報です。共有方法(パスワード管理ツール、別経路共有など)はクライアントの運用に合わせ、作業後の保管場所も決めておくと安心です。
1-3. 今回の作業の順番
大きくは「XSERVERで送信元を用意する → WordPressでSMTP設定を入れる → CF7のFrom/Reply-Toを整える → テストで確認」の流れです。
この順番で進めると、原因切り分けもしやすくなります。
2. XSERVERで送信元メールを用意する方法
この章では、SMTP送信に使う「送信元メールアドレス」を用意します。すでにクライアントが独自ドメインのメールアドレスを運用している場合は、作成ではなく「情報確認」が中心になります。
2-1. 送信元メールアドレスの決め方
送信元(From)に使うメールアドレスは、基本的にサイトのドメインと揃える形が扱いやすいです。
例としては、info@ドメイン / contact@ドメイン / noreply@ドメイン などの運用が一般的です。
メール運用がすでにある場合は、クライアント側のルールを優先します。社内で「送信専用」「受信専用」を分けているケースもあるためです。
2-2. XSERVERでメールアカウントを作成する
XSERVERのサーバーパネルにログインしたら、画面内の「メールアカウント設定」を開きます。
対象ドメインを選択したうえで、画面上部の「メールアカウント追加」を開くと、作成画面に進めます。
作成画面では、メールアカウント(@の前の部分)、ドメイン、パスワードなどを入力します。容量はひとまず初期値のままでも運用できることが多いです。
入力後は、画面の案内に従って追加を確定し、作成したメールアドレスが一覧に表示されていれば完了です。
作成したパスワードは、このあとSMTP認証で使います。分からなくなると再設定が必要になるため、作業中だけでも安全な場所に控えておくことをおすすめします。

XSERVER側で、どの情報を控えておけばいいのか混乱してしまいそうです。

大丈夫だよ。要は「送信に使うメールアドレス」と「そのパスワード」、それからSMTPのホスト名・ポート・暗号化方式だね。あとで表にして照らし合わせれば迷いにくいよ。
2-3. XSERVERのSMTP情報を確認する
WordPress側のSMTP設定では、主に次の情報を入力します。XSERVERの画面で確認できる範囲で揃えておきます。
| 項目 | 入力する内容 | 補足 |
|---|---|---|
| SMTPホスト | XSERVER側で案内されているSMTPサーバー名(ホスト名) | サーバーパネルの表示に合わせます |
| 暗号化 | SSL または TLS | ポート番号とセットで決めます |
| SMTPポート | 465 または 587 | XSERVER側の案内に合わせます |
| SMTPユーザー名 | 作成したメールアドレス(例:info@ドメイン) | メールアドレス全体を入れるケースが一般的です |
| SMTPパスワード | 作成時に設定したパスワード | 不明な場合はXSERVER側で再設定します |
数字や表記の入力ミスが起きやすい部分です。コピー&ペーストできる箇所は、なるべく手入力を減らすと安全です。
3. WordPressにSMTP送信用プラグインを導入する方法
この章では、WordPressのメール送信経路をSMTPに切り替えるためのプラグインを導入します。
Contact Form 7単体では「SMTP送信」を細かく設定できないため、SMTP専用プラグインで補うイメージです。
3-1. SMTPプラグインをインストールして有効化する
WordPress管理画面の左メニューから「プラグイン」→「新規追加」を開きます。
検索ボックスに「WP Mail SMTP」と入力し、該当プラグインをインストールして有効化します。
プラグインは名称が似ているものが表示されることがあります。提供元表記(開発元)も確認しながら選ぶと安全です。
3-2. 初期ウィザードが表示された場合の考え方
初回起動時に設定ウィザードが表示される場合があります。
作業に慣れていない場合は、ウィザード内で進めても問題ありませんが、途中で「外部サービス連携(GmailやMicrosoftなど)」を選ぶ画面が出る場合は、今回はXSERVERのSMTPを使うため、選択肢を慎重に確認します。
今回は「XSERVERで作成した独自ドメインメール」を使ったSMTP送信が目的です。外部サービス用の連携手順とは分岐することがあります。
4. SMTPプラグインにXSERVERのSMTP情報を設定する方法
この章がメインの作業です。入力項目が多いので、ひとつずつ確認しながら進めます。
4-1. 基本設定(From Email / From Name)
WP Mail SMTPの設定画面で、送信元の情報を設定します。
From Email(送信元メールアドレス)には、2章で用意したメールアドレスを入力します。
From Name(送信者名)は、サイト名や会社名など、受信者が見て分かりやすい名称にします。
設定画面に「Force From Email」や「Force From Name」のようなチェックがある場合は、サイト全体の送信元を統一する目的で有効にする選択肢もあります。クライアントサイトで複数の送信元を使い分ける運用がある場合は、運用方針を優先します。
4-2. メーラーの選択(Other SMTP)
メーラー(Mailer)の選択で、「Other SMTP」を選びます。
選択すると、SMTPホスト・暗号化・ポートなどの追加項目が表示されます。
4-3. SMTPホスト・暗号化・ポートの入力
2章で控えた情報をもとに入力します。混乱しやすいので、入力欄と項目名を対応させて確認します。
| WP Mail SMTP側の項目 | 入力する内容 |
|---|---|
| SMTP Host | XSERVER側のSMTPサーバー名(ホスト名) |
| Encryption | XSERVER側の案内に合わせて SSL または TLS |
| SMTP Port | 暗号化の案内に合わせて 465 または 587 |
| Authentication | ON(有効) |
| SMTP Username | 作成したメールアドレス(例:info@ドメイン) |
| SMTP Password | メールアカウントのパスワード |

ポートが465と587で迷います。どちらを選ぶのが正解ですか?

XSERVER側で案内されている組み合わせに合わせるのが基本だよ。暗号化がSSLなら465、TLS(STARTTLS)なら587、みたいにセットで見よう。迷ったら、まず案内どおりに入れてテスト送信が早いね。
4-4. 設定を保存する
全項目の入力が終わったら、画面の「Save Settings(保存)」をクリックして保存します。
保存後、入力値が保持されていることを確認します。
パスワードが間違っている場合は保存できても送信テストで失敗します。次章のテストで必ず確認します。
5. Contact Form 7側のメール設定を確認する方法
SMTPを整えたら、次にContact Form 7側のメール内容(特に送信元と返信先)を確認します。
この部分が崩れていると、SMTP設定が正しくても「届きにくい」「迷惑メールになりやすい」といった原因になります。
5-1. To(送信先)とFrom(送信元)の役割を整理する
To(送信先)は、フォーム通知を受け取りたいメールアドレスです。
From(送信元)は、受信側に表示される差出人情報です。
ここが逆転していると、メールが届かない原因になります。まずはToが管理者(クライアントや担当者)の受信アドレスになっているか確認します。
5-2. Fromはサイトドメインのメールアドレスに揃える
Fromにユーザーが入力したメールアドレスをそのまま入れると、受信側で「なりすまし」扱いになり、迷惑メール判定の原因になることがあります。
Fromは、2章で用意した「サイトドメインのメールアドレス」に固定する形が安定しやすいです。
From欄の記入例は次のとおりです(実際のドメインに置き換えます)。
サイト名
5-3. Reply-Toにユーザーのメールアドレスを入れる
ユーザーへ返信する必要がある運用の場合は、Reply-Toにユーザーのメールアドレス(フォームのメールタグ)を入れます。
Contact Form 7の「追加ヘッダー」欄に、次の形式で設定します。
Reply-To: [your-email]

送信元を問い合わせした人のメールアドレスにした方が自然な気がします。Fromに入れても大丈夫ですか?

気持ちは分かるけど、届きにくくなる原因になりやすいよ。Fromはサイト側のアドレスに固定して、返信先をReply-Toでユーザーに向けるのが安定しやすいんだ。
5-4. 自動返信(メール2)を使っている場合の確認
Contact Form 7で「メール2」(自動返信)を有効にしている場合も、Fromはサイト側の独自ドメインメールに統一します。
To(送信先)がユーザーのメールアドレス(メールタグ)になっていることを確認します。
自動返信の文面は、クライアントの表現ルール(署名、営業時間、個人情報の扱い)に合わせて調整すると、運用トラブルが減ります。
6. テスト送信で「届く状態」を確認する方法
この章では、設定が正しいかを「プラグイン側」と「フォーム側」の両方から確認します。切り分けのために、順番どおりに行うのがおすすめです。
6-1. SMTPプラグインのテストメールを送信する
WP Mail SMTPの機能からテストメールを送ります。
ここで成功すれば「SMTP接続・認証」が通っている可能性が高くなります。
失敗した場合は、SMTPホスト、暗号化、ポート、ユーザー名、パスワードのいずれかが一致していないケースが多いです。8章のチェック表もあわせて確認します。
6-2. Contact Form 7から実際にフォーム送信して確認する
次に、実際のフォームからテスト送信します。
管理者宛ての通知メールが届くか、必要に応じてユーザー宛ての自動返信が届くかを確認します。
確認時は、迷惑メールフォルダもあわせて確認します。届いていないのではなく、振り分けられているケースもあります。
6-3. 受信者が複数いる場合の確認
クライアント側で複数の担当者に通知する運用の場合、ToやCCに設定した全員に届くかまで確認します。
特定の宛先だけ届かない場合は、受信側(社内セキュリティ、迷惑メール設定)に原因がある場合もあります。
7. 追加の到達率対策としてSPF/DKIM/DMARCを確認する方法
SMTPで送れるようになった後でも、メールの到達率を上げたい場合は「送信ドメイン認証」を整えると効果的です。
XSERVERでは、サーバーパネル内のメール関連メニューからSPF/DKIM/DMARCの設定を行える場合があります。
7-1. SPF/DKIM/DMARCを短く整理する
SPFは「そのドメインから送ってよい送信元か」を示す仕組みです。
DKIMは「メールが改ざんされていないこと」を示す仕組みです。
DMARCは「なりすましが疑われるメールをどう扱うか」を受信側に伝える仕組みです。
ここは専門用語が増えやすい部分です。まずは「設定できる状態かどうか」を確認し、難しければクライアントの管理者やインフラ担当と連携して進めるのが安全です。
7-2. XSERVER側で設定できる場所の目安
XSERVERのサーバーパネルで「メール」配下に、「DKIM設定/SPF設定/DMARC設定」のような項目がある場合は、そこから設定できます。
クライアントの運用ポリシーによっては、DNSを別サービスで管理しているケースもあるため、設定画面が見つからない場合は「ドメインのDNS管理がどこか」を先に確認します。
8. うまくいかないときの確認ポイント
この章では「症状 → 原因のあたり → 対応」を切り分けられるように整理します。
まずはプラグインのテストメールが送れるかどうかで、問題箇所を分けて考えるのが近道です。
8-1. よくある症状別チェック表
| 症状 | 原因のあたり | 確認・対応 |
|---|---|---|
| WP Mail SMTPのテストが失敗する(認証エラー) | ユーザー名・パスワード違い、認証がOFF | SMTP Usernameがメールアドレス全体になっているか、AuthenticationがONか、パスワードが最新かを確認します |
| WP Mail SMTPのテストが失敗する(接続できない) | ホスト名・ポート・暗号化の組み合わせ違い | XSERVER側で案内されている組み合わせ(SSL/TLSとポート)を再確認します |
| WP Mail SMTPのテストは成功するが、CF7だけ届かない | CF7のTo/From/追加ヘッダー | Toが管理者宛てになっているか、Fromが独自ドメインメールになっているか、Reply-Toの書式が崩れていないかを確認します |
| 届くが迷惑メールに入る | 送信元の整合性、送信ドメイン認証 | Fromを独自ドメインに統一し、SPF/DKIM/DMARCの整備も検討します |
| 突然送れなくなった | パスワード変更、サーバー側制限 | メールパスワード変更があればWP側も更新します。サーバー側の制限設定も確認します |
8-2. XSERVER側の「SMTP認証の国外アクセス制限」に注意する
XSERVERには、SMTP認証のアクセスを制限する設定があり、状況によっては送信が制限されることがあります。
サーバーパネル内に該当項目がある場合は、環境や運用に応じて見直します。

届かないとき、どこから見直すのが一番いいですか?

順番が大事だね。まずWP Mail SMTPのテストが通るか。次にCF7のFrom/Reply-To。最後に迷惑メールやSPF/DKIM/DMARCって流れで切り分けると迷いにくいよ。
9. まとめ
SMTP設定は「WordPress側で送信経路を整える作業」と「Contact Form 7側で差出人・返信先を整える作業」の両方が揃って初めて安定しやすくなります。
本記事の手順で、XSERVER環境でもフォームメールをSMTP経由で送れる状態を作り、テスト送信まで確認できるはずです。
引き継ぎとしては、SMTPに使うメールアドレス、パスワードの保管場所、From/Reply-Toの方針をクライアントと共有しておくと、運用フェーズでのトラブルが減ります。
よくある質問
WordPressの標準送信(PHPのメール送信)と比べて、送信元の正当性が担保されやすくなり、メールが届かない・迷惑メールに入るといったトラブルの改善が期待できます。フォーム側(Contact Form 7)のTo/From設計もあわせて整えると、より安定しやすくなります。
サイト全体で送信元を統一したい場合はオンが便利です。一方で、プラグインごとに送信元を変える運用(例:予約フォームとお問い合わせで送信元を分ける)がある場合は、意図しない上書きになることがあります。クライアントの運用方針に合わせて判断します。
SMTP接続自体は成功している可能性が高いので、Contact Form 7の「メール」タブを優先して見直します。特に、To(送信先)が正しいか、Fromが独自ドメインメールになっているか、追加ヘッダーの「Reply-To: [your-email]」の書式が崩れていないかを確認します。迷惑メールフォルダの確認もあわせて行います。
XSERVER側で案内されている暗号化方式(SSL/TLS)とセットで合わせるのが基本です。設定情報の表示どおりに入力し、WP Mail SMTPのテストメールで成功する組み合わせを採用します。
必須とは限りませんが、到達率や「なりすまし対策」の観点では整備する価値があります。まずはSMTPで送れる状態を作り、迷惑メール判定が残る場合や運用上重要なメール(問い合わせ、予約、見積もりなど)がある場合に、クライアントの管理体制に合わせて設定を検討します。
