UpdraftPlusでクライアントサイトをバックアップし、テストサイトで復元テストする方法

クライアントサイトの更新作業では、テーマやプラグインの更新、設定変更など、サイト全体に影響が出る作業が発生します。
そのような場面で安心して進めるためには、「バックアップを取る」だけでなく、「復元できる」状態まで整えておくことが大切です。

💡 ゴール

UpdraftPlusでバックアップ取得復元を再現できる状態を作り、いざという時に迷わず復旧できるようにします。

この記事で行うのは、次の3つです。

  1. 本番(クライアント)サイトで UpdraftPlus のバックアップ設定を行う
  2. 手動バックアップを取り、保存先(リモートストレージ)まで確認する
  3. 制作者のテストサイトで復元テストを行い、復元手順を「手元の手順書」として完成させる

1.バックアップと復元の全体像

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UpdraftPlus は、WordPress サイトをデータベースファイルに分けてバックアップし、必要な範囲を選んで復元できます。
この記事では、同じ日時で揃った一式(データベース+ファイル群)を「バックアップセット」として扱います。

バックアップ対象中身の例復元するとどうなるか(基本)
データベース投稿・固定ページ・メニュー・各種設定・ユーザーバックアップ時点の内容で上書きされます
プラグインwp-content/pluginsバックアップ時点の状態で上書きされます
テーマwp-content/themesバックアップ時点の状態で上書きされます
アップロードwp-content/uploads画像・PDFなどがバックアップ時点の状態で上書きされます
その他wp-content 配下の追加ファイルなどバックアップ設定に応じて復元対象になります

⚠️ 注意点

復元は「元に戻す」操作のため、基本的に現在の状態を上書きします。作業直前の状態も残したい場合は、復元前にもう一度バックアップを取得しておくと安心です。

復元テストは、本番サイトに影響を出さないように、制作者のテストサイトで行います。

環境この記事で行うこと目的
本番(クライアントサイト)バックアップ設定、手動バックアップ取得、保存先の確認「いつでも復元できる材料」を確保する
テスト(制作者サイト)バックアップセットの取り込み、復元、動作確認「実際に復元できる」を確認し、手順を固める

バックアップは取っているのですが、復元テストまでやる必要はありますか?

あるよ。バックアップが「取れたつもり」でも、実際は保存先に無かったり、復元時に手順が分からなくて詰まることがあるんだ。テストサイトで一度でも復元できれば、いざという時の不安が一気に減るよ。

2.UpdraftPlusをインストールしてバックアップ設定する方法

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ここでは、本番(クライアント)サイトで、UpdraftPlus を使ったバックアップ運用を開始する準備を行います。

2-1.UpdraftPlusをインストールして有効化する

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手順操作
1WordPress管理画面で 「プラグイン」「新規追加」 を開きます。
2画面右上の検索ボックスに 「UpdraftPlus」 と入力します。
3対象プラグインの 「今すぐインストール」 をクリックします。
4インストール後に表示される 「有効化」 をクリックします。
5左メニューの 「設定」 内に 「UpdraftPlus バックアップ」 が表示されることを確認します。

📝 補足事項

画面表示は WordPress の言語設定や UpdraftPlus のバージョンにより多少異なる場合があります。大枠は「設定」内の UpdraftPlus から進められます。

2-2.バックアップの保存先をリモートストレージに設定する

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バックアップをサーバー内だけに保存していると、サーバー障害などの時にバックアップ自体が取り出せない場合があります。
UpdraftPlus では、Dropbox や Google Drive などのリモートストレージ(外部保存先)を設定できます。

手順操作
1「設定」「UpdraftPlus バックアップ」 を開きます。
2上部のタブから 「設定」 を開きます。
3「リモートストレージ」(Choose your remote storage などの表記)で保存先を選びます。
4選んだ保存先の認証(ログイン・連携)を行います。
5画面下部の 「変更を保存」(Save Changes)をクリックします。

保存先は、運用しやすいものを選びます。

候補向いているケース注意点
Google Drive / Dropbox複数案件で使い慣れている、共有しやすいクライアント案件はフォルダ分けし、権限管理を行います
Amazon S3 / S3互換容量が大きい、長期保存したい初期設定がやや難しいため、慣れてからが安心です
FTP別サーバーへ退避したいFTP情報の管理に注意が必要です
メールとにかく簡易に送りたい容量制限があるため、小さなサイト向けです

⚠️ 注意点

リモートストレージに保存する場合も、バックアップファイルにはサイトの情報が含まれます。フォルダ権限や共有設定は慎重に扱いましょう。

2-3.自動バックアップのスケジュールを設定する

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UpdraftPlus は、ファイルデータベースで別々にバックアップ頻度を設定できます。
更新が多いサイトほど、データベースは短い間隔、ファイルは少し長めの間隔にすると運用しやすくなります。

手順操作
1「設定」タブ上部の 「ファイルのバックアップスケジュール」 を設定します。
2同様に 「データベースのバックアップスケジュール」 を設定します。
3保持数(何世代残すか)を設定します。
4画面下部の 「変更を保存」 をクリックします。

設定例はサイトの更新頻度で変わります。目安としては次のように考えると整理しやすいです。

サイトのタイプデータベースファイル保持数(例)
更新が頻繁(ブログ・お知らせが多い)毎日毎週10〜20
更新が少なめ(会社サイト・LP中心)毎週毎月5〜10

保持数は多いほど安心ですか?どれくらいが良いのか迷います。

増やしすぎると容量を圧迫しやすいんだ。まずは「復元に必要な期間」を決めるのがコツだね。たとえば月1で大きい更新があるなら、直近1〜2か月分が残る設定にすると判断しやすいよ。

2-4.更新前に手動バックアップを取れる状態にする

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自動バックアップがあっても、テーマ更新や大きな修正の前は、手動バックアップがあると安心です。
UpdraftPlus では 「バックアップ / 復元」 タブから手動バックアップを実行できます。

手順操作
1「設定」「UpdraftPlus バックアップ」 を開きます。
2「バックアップ / 復元」 タブを開きます。
3「今すぐバックアップ」(Backup Now)をクリックできることを確認します。

3.手動バックアップを取り、保存先まで確認する方法

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ここでは、実際に手動バックアップを取り、復元に必要な「バックアップセット」が揃っていることを確認します。

3-1.手動バックアップを実行する

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手順操作
1「バックアップ / 復元」 タブで 「今すぐバックアップ」(Backup Now)をクリックします。
2ポップアップで データベースファイル を含める設定になっていることを確認します。
3リモートストレージへ送信(送信する設定)になっていることを確認します。
4「今すぐバックアップ」 を実行し、完了メッセージが出るまで待ちます。

💡 ポイント

大きなサイトはバックアップに時間がかかる場合があります。途中で画面を閉じないようにし、完了表示まで確認します。

3-2.「既存のバックアップ」でバックアップセットを確認する

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UpdraftPlus の画面下部に 「既存のバックアップ」(Existing Backups)という一覧が表示されます。
ここに、いま作成したバックアップが日時付きで追加されていれば、プラグイン側の管理はできています。

確認ポイント見方
バックアップが一覧に出ている作成した日時の行が追加されます
復元ボタンがある該当行に 「復元」(Restore)が表示されます
構成が揃っているデータベース、プラグイン、テーマ、アップロードなどの項目が表示されます

3-3.リモートストレージ側にバックアップがあることを確認する

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復元テストでは、テストサイト側でバックアップファイルを取り込む必要があります。
そのため、本番側で「バックアップが作れた」だけでなく、保存先に実体があることまで確認します。

手順操作
1バックアップの保存先(Google Drive / Dropbox など)を開きます。
2UpdraftPlus のバックアップフォルダ(案件フォルダ)を探します。
3作成日時に近いファイル一式があることを確認します。
4テストサイトで使うために、必要であればローカルへダウンロードできる状態にします。

UpdraftPlusの画面で「バックアップがある」なら、それで十分ではないのですか?

画面に表示されてても、保存先の連携が切れてたら「いざ復元したい時にファイルが無い」ってことが起きるんだ。だから、リモートストレージ側にも実体があるかをセットで確認するのが安心だよ。

4.制作者のテストサイトで復元テストを行う手順

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ここからは、制作者のテストサイトで復元テストを行います。
目的は「本番を壊さないこと」ではなく、復元手順を再現できるようにしておくことです。

4-1.テストサイト側の事前準備を行う

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復元テストでは、クライアントサイトのデータをテスト環境に展開します。
意図しない公開やメール送信を防ぐために、先にテストサイト側を整えます。

項目おすすめの対応
検索エンジン対策「設定」「表示設定」で「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」を有効にします
アクセス制限可能であれば Basic 認証やIP制限など、外部から見えにくい状態にします
メール送信対策管理者メールの送信先を制作者側にする、またはテスト環境で送信されないよう調整します
個人情報の取り扱い契約・運用ルールに従い、必要に応じてテスト環境を限定公開にします

⚠️ 注意点

問い合わせフォームやEC機能がある場合、復元直後にテストサイトからメールが送信される可能性があります。先に「送信されにくい状態」を作っておくと安心です。

4-2.テストサイトにバックアップセットを取り込む

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テストサイト側にも UpdraftPlus をインストールし、本番サイトのバックアップを「既存のバックアップ」に表示させます。
取り込み方法はいくつかあるため、環境に合う方法を選びます。

取り込み方法向いているケース操作の方向性
リモートストレージを同じ設定にして再スキャン本番と同じ保存先にアクセスできるテストサイト側で保存先を設定し、「リモートストレージを再スキャン」系のリンクを実行します
管理画面からファイルをアップロードバックアップ一式をPCにダウンロード済み「既存のバックアップ」内の 「バックアップファイルをアップロード」 から取り込みます
FTPで所定フォルダへ配置大容量で管理画面アップロードが難しいFTPで所定フォルダへ置き、「ローカルフォルダを再スキャン」系のリンクを実行します

取り込みができると、テストサイトの 「既存のバックアップ」 に本番サイトのバックアップセットが表示されます。

4-3.復元ウィザードで復元を実行する

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手順操作
1テストサイトの 「既存のバックアップ」 から、対象バックアップの 「復元」(Restore)をクリックします。
2復元する対象(データベース、プラグイン、テーマ、アップロードなど)を選びます。
3「次へ」(Next)を進め、復元確認の画面まで進みます。
4最終確認で 「復元」 を実行し、完了メッセージまで確認します。
5復元後、必要に応じて再ログインします(復元によりログイン情報が切り替わる場合があります)。

💡 ポイント

まずは「フル復元(全部)」で一度成功させると、緊急時の手順として流用しやすくなります。

4-4.本番とテストでURLが異なる場合の考え方を整理する

代替テキスト

UpdraftPlus の復元手順は、基本的に同じ場所(同じURL)に戻す用途が中心です。
テストサイトのURLが本番と異なる場合、復元後に本番URLへ転送される、またはリンクが本番URLのままになることがあります。

この場合は「復元(同一URLへ戻す)」ではなく、実質的に移行(URLを変えて展開する)に近い作業になります。

状況起こりやすいこと対応の考え方
本番と同一URLで復元できる表示・ログインが安定しやすい通常の復元手順で進めます
本番と異なるURLで復元する本番URLへリダイレクト、内部リンクが本番のままになるURL置換(search/replace)を含めた移行手順が必要になる場合があります

UpdraftPlus の機能や契約範囲によっては、復元ウィザード内で URL 置換を行える場合があります。
表示されない場合は、別の方法で URL を置き換える工程が必要になります。

復元したのにテストサイトで開くと本番URLに飛んでしまいました。何が起きているのでしょうか?

WordPressはURL情報をデータベースに持ってるんだ。別URLの環境に復元すると、データベース内の「サイトURL」が本番のままだと本番へ転送されやすい。テストで動かすなら、URL置換も含めた“移行”として考えるのが近いよ。

4-5.復元テストの合格ラインを決めて動作確認する

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復元テストは「本番と完全に同じURLで動くこと」だけが目的ではありません。
いざという時に復元できるよう、次のような観点で合格ラインを決めておくと運用しやすくなります。

確認項目確認内容
管理画面に入れるログイン、編集画面の表示ができる
トップと主要ページが表示できるテーマ崩れが致命的でない、リンクが概ね動く
画像が表示できるメディアの参照が復元されている
プラグインが有効化されている必須プラグインが動作している
エラーが出ていない致命的エラーが出ない、復元完了が確認できる

5.本番サイトで復元する手順

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ここでは、実際にトラブルが起きた時に、本番サイトで UpdraftPlus を使って復元する流れを整理します。
復元テストで通った手順を、そのまま本番で再現できるようにしておくのが目的です。

5-1.管理画面にログインできる場合の復元手順

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手順操作
1「設定」「UpdraftPlus バックアップ」 を開きます。
2画面下部の 「既存のバックアップ」 から、戻したい日時のバックアップを探します。
3該当行の 「復元」(Restore)をクリックします。
4復元する対象(データベース、プラグイン、テーマ、アップロードなど)を選びます。
5確認画面で問題がなければ 「復元」 を実行し、完了メッセージまで確認します。
6復元後、必要に応じて再ログインし、表示確認を行います。

💡 ポイント

本番サイトを同じURLに戻す復元では、基本的に URL 置換は不要です。テストサイトと同じ作業をする場合も「同一URL復元」と「移行」を混同しないようにします。

5-2.管理画面にログインできない場合の考え方

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管理画面に入れない場合でも、UpdraftPlus のバックアップファイルが手元(リモートストレージ)にあれば復旧の道は残ります。
この場合は、まず「WordPress を動かせる最低限の状態」を作り、そこへバックアップを取り込んで復元する方針が分かりやすいです。

方針作業イメージ
新規の WordPress を用意して UpdraftPlus 復元へ持ち込むサーバー上で WordPress を再設置し、UpdraftPlus を入れてバックアップを取り込み、復元します
ホスティング側の復旧手段を併用するサーバーの自動バックアップや復元機能がある場合、それも候補にします

⚠️ 注意点

ログイン不能の原因がサーバー障害・権限・PHPバージョン不整合などの場合、プラグインだけでは解決しないことがあります。復元テストで「どこまで自力で戻せるか」を把握しておくと判断が早くなります。

復元すると「今の状態」は全部消えてしまうのでしょうか?

基本は上書きだね。だから、まだ動ける状態なら復元前に“いまの状態”もバックアップしておくと安心。戻す先と戻す元を取り違えないように、日時の確認もセットでやると安全だよ。

6.復元後のチェックとバックアップ運用のコツ

代替テキスト

6-1.復元直後に確認したいチェック項目

代替テキスト
項目確認内容
表示確認トップ、主要ページ、404、検索結果などの表示
管理画面ログイン、投稿編集、プラグイン一覧の表示
フォーム送信テスト(テスト環境では送信先に注意)
画像・PDFメディアが欠けていないか
パーマリンク必要に応じて 「設定」「パーマリンク設定」 を開き、変更せずに 「変更を保存」 を押して再生成します

6-2.バックアップ運用を安定させるための考え方

代替テキスト
観点考え方
更新前の手動バックアップ大きい変更の前に「戻せる地点」を作ります
保存先の分散サーバー内だけに置かず、リモートストレージへも保存します
復元テストの頻度半年に一度など、定期的にテストすると手順が陳腐化しにくくなります
権限管理バックアップ保存先の共有範囲を絞り、案件ごとに整理します

7.まとめ

代替テキスト

UpdraftPlus でのバックアップ運用は、「設定する」だけでなく「復元できる」状態まで整えることで、更新作業の安心感が上がります。
本番サイトでは定期バックアップと更新前の手動バックアップを行い、制作者のテストサイトで一度でも復元テストを通しておくと、緊急時の判断が早くなります。

💡 次にやること

本番サイトで手動バックアップを1回実行し、テストサイトで復元テストまで完了させて「自分の手順」として固めましょう。

7-1.よくある質問

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